コーキングの役割とは?種類や用途を説明します。

まずシーリングとコーキングはどう違うのか?
結論から言いますと、建築業界ではどちらも基本的に同じ工事の事を指します。会社や職人によって「シーリング」や「コーキング」や「シール」などと呼びますが、単に呼び方の違いだと捉えて問題ありません。また、どれも正しい呼び方です。紛らわしいので、このブログ記事では「コーキング」と呼ばせていただきます。

住宅におけるコーキングの役割は大きく2つ!

コーキングの役割

コーキングは、サイディングとサイディングの隙間だったり、サイディングと窓サッシの隙間などに充填してあるゴム状の物を指します。またALCパネルの継ぎ目やモルタル壁のクラック補修などにも使用されます。このコーキングには2つの大きな役割があり、実は重要な役割を果たしているのです。

①サイディング(部材)の保護のため!

1つ目は風の圧力によるサイディングのしなりや地震などによる振動でサイディング等の部材同士がぶつかり合い「割れ」、「欠け」が発生しない様にクッションの役割を果たしています。このコーキングによるクッションを作る為にサイディング同士をわざと放して隙間(目地)を作っているのです。

②建物の防水性・気密性のため!

2つ目は「①サイディング(部材)の保護のため」でわざと作った隙間(目地)を埋めて、建物の防水性を高め、雨漏りを防ぎ、雨水から躯体(下地)を守ることです。同時に建物の気密性も守っています。

外壁のコーキング「打ち替え」と「増打ち」

2つの家模型

打ち替え」とは、既存の外壁コーキングを完全に剥がしてから新しいコーキング材を充填することです。「増打ち」という方法もありますが、既存のコーキングの上から充填する工法で、状態の良いコーキングのみ可能な方法で、もし既存のコーキングがかなり劣化していた場合、コーキングの役目を果たしていない状態の上から重ねているだけなので、外壁の内側に雨水が入り込み、外壁を傷め雨漏れなどの原因となるため増打ちすることはできません。ですので、コーキングの状態をよく見極めて判断することが大切です。そして基本的には外壁の塗り替えとコーキングの打ち替えは同時期にするのが理想的です。

コーキングの手順

コーキングの大切さがわかったところで、どんなふうに何をするんだろう?という方のために、ここからは手順をご紹介します。

STEP1
既存のコーキングの撤去と掃除

目地の両端の上から下ににカッターで切り込みを入れ、古いコーキング剤をつまみながら引っ張り出して除去します。サイディングの側面にはまだコーキング剤が薄く残っているので、そこもカッターで丁寧に削ぎ落とし、目地や溝のゴミ・ホコリ・古いコーキング剤をハケで掃除します。

STEP2
マスキングテープで保護

目地や溝に沿ってマスキングテープを貼っていきます。これはコーキング剤が余計な所に付かないようにするためです。丁寧に貼ることで綺麗に仕上がります。

STEP3
ボンドブレーカーの貼り付け

ボンドブレーカーテープ(絶縁テープ)を使用します。目地の突き当たりの面に貼り付け、テープのある面はコーキング剤が接着しないので、密着不良やひび割れを防ぐことができ、コーキングを長持ちさせることができます。3面接着より、2面接着のほうが撤去時も剥がしやすくなります。

STEP4
マスキングテープで保護

目地や溝に沿ってマスキングテープを貼っていきます。これはコーキング剤が余計な所に付かないようにするためです。丁寧に貼ることで綺麗に仕上がります。

STEP5
ボンドブレーカーの貼り付け

ボンドブレーカーテープ(絶縁テープ)を使用します。目地の突き当たりの面に貼り付け、テープのある面はコーキング剤が接着しないので、密着不良やひび割れを防ぐことができ、コーキングを長持ちさせることができます。3面接着より、2面接着のほうが撤去時も剥がしやすくなります。

STEP6
下地を塗布

コーキング剤は密着度が弱いので、壁との密着を良くするために下地材「プライマー」を塗布します。コーキングの性能を十分に発揮させるためにはしっかり接着させる必要があり、コーキングの耐久度に関わるため、塗り残しや塗りムラ、塗り不足がないよう、また接着面以外の箇所に接着プライマーが付着しないように入念に塗布します。かつ丁寧に進めていきます。

STEP7
コーキング剤を充填

色々な種類があるコーキングの中から材質に適したコーキング剤を充填していきます。コーキングの上からしますが、柔らかく、動くのがコーキング剤。その時に塗料が割れたり剥がれてしまいコーキング剤が見えてしまって目立たないよう、なるべく仕上がりのカラーに近い色を選ぶようにします。気泡や打ち残しがないようにまた、隙間がないよう隅々までコーキング材を盛り上げるように充填します。*当社では耐用年数約30年といわれる「オートンイクシード」を採用しています。

STEP8
仕上げ

表面をヘラ等で押さえてならします。内部に空洞ができないよう押さえ込むように、コーキング剤を押し込みながらならします。ならし終わったらコーキング剤が乾く前に素早くテープを剥がします。

コーキング剤の種類と使い分け

コーキングの種類

コーキングにも塗料と同様な種類があります。例えばアクリル系・ポリウレタン系・変成シリコーン系・ポリサルファイド系などありますが、それぞれ用途が違うので状況にあわせて使用するのが大切です。住宅塗装時に使用するコーキング剤を種類別に、用途や使い分けなど説明させていただきます。

アクリル系コーキング剤

ALCパネルの目地や屋内で使用される場合があります。水性のため扱いやすい反面、水分が蒸発して硬化するので硬化後の肉痩せがあり、耐久性が低くこまめなメンテナンスが必要になることから、現在リフォーム時に使用されることはあまりありません。耐久年数は5年ほどと言われています。

ポリウレタン系コーキング剤

塗料との密着性が高いため、外壁の塗り替え工事時に使用されることが多いです。ただし、紫外線に弱い性質をもっているので必ず塗装が必要になります。耐久年数は5〜10年ほどと言われています。例外ですが、オート化学工業「オートンイクシード」等の高耐久ポリウレタンコーキングも存在します。

シリコーン系コーキング剤

シリコーン樹脂樹脂が原料でカラーバリエーションも多く、主にキッチンの水周り・お風呂場・ガラス目地で使われることが多いです。耐久性・耐熱性・耐水性に優れているため、隙間や目地から水が入り建物が劣化するを防いでくれます。上からの塗装ができないので外壁には向いていません。耐久年数は10年ほどと言われています。

変成シリコーン系コーキング剤

変成シリコーン系はポリエーテル樹脂が原料で、シリコーン系と名前は似ていますが全くの別物です。主に外壁・板金・建築・フローリングやタイルなどに使用されることが多いです。耐候性・塗装性に優れており、コーキングの上から塗料や防水塗料を塗れるのが特徴です。ウレタン系と比べると密着性には劣りますが、使用用途が万能で塗装もできるので外壁に使用されるのは、ほとんどがこの変成シリコーン系コーキングです。耐用年数は10年と言われています。

ポリサルファイドコーキング剤

主に石目地やタイル目地・コンクリート目地などの動きの少ない目地で使用されることが多いです。表面にホコリやゴミが付きにくく接着性に優れていて、耐油、耐薬品性が高いのが特徴です。用途は変成シリコーンに似ていますが、柔軟性があまりないので動きの大きい箇所には使用できません。耐用年数は10年ほどと言われています。

当社が採用しているコーキング剤をご紹介!

オートンイクシード缶

株式会社カラーズペイントでは、オート化学工業株式会社の「オートインイクシード」という製品を採用しています。新規開発で経年で流出する可塑剤を配合していないため、経年による硬質化を防ぐため、柔らかさが長持ちします。また、特殊高耐久ポリマー配合で、これまでにない耐久性・耐候性を実現した超寿命の商品。耐久性は約30年といわれ、長期にわたりお客様の大切な建物を守ってくれる優れものです。

1液成分形と2液成分形の違い?

1液成分形

主にそのまま充填できる「カートリッジ」入りの物が多く、市販のコーキングガンさえ購入すれば一般の方でも扱いやすいのが1液成分形になります。最近ではプロにも使われています。

2液成分形

専用の撹拌機とコーキングガンが必要で一般の方には不向きなプロ用のコーキング剤です。硬化促進剤や硬化遅延剤など使用する事で硬化速度の調整が可能になります。

コーキング(シーリング)の役割とは?まとめ

いかがでしたか?このように住宅のコーキング(シーリング)はとても大切な役割を果たしています。

外壁の塗り替え時に、コーキングの打ち替えも「塗装とセット」とお考え下さい。

同時に行うことで手間や費用の節約になります。

後からコーキング工事となると、足場費用やコーキング部分の塗装費用など、余計にお金がかかります。

建物を長持ちさせるには必要不可欠なコーキング工事。

適切な方法を提案してくれる業者もいれば、利益だけを考えている悪質な業者もいます。

知識と経験があり、信頼のできる業者に依頼しましょう。

株式会社カラーズペイントはお客様のお住まいの状況をしっかり確認し、最適なコーキングをご提案し、

お客様の納得のいくまで説明していきます。

その他、ご不明な点など御座いましたらお気軽にお問合せください。

最後まで読んでいただきありがとうございました!

この記事を書いた人Wrote this article

Sou Kikuya

Sou Kikuya 男性

苫小牧市沼ノ端出身。ニックネーム「ボス」1児のパパで株式会社カラーズペイントの代表取締役。中学校卒業後すぐに塗装業界に入り、現在も塗装職人として現場で活躍中。住宅塗装は「みんなに観られる、形に残る」すなわち、作品を作るプロのアーティストです。プロとしての誇りを持っている「ボス」に塗装のことならなんでも聞いてください!

TOP