高圧洗浄

高圧洗浄は住宅塗装では最重要

「我が家もそろそろ塗り替えかな」と塗装会社に見積もりを頼むと、目にする高圧洗浄

初めての外壁塗装を検討されている方などの中には、

「この工程が無くなれば工事費用も安くなるのに」と、お考えの方もいるのではないでしょうか?

実はこの高圧洗浄、住宅塗装において重要どころか『最重要』だと言うお話です。

まず初めに高圧洗浄とは?

高圧洗浄中の灯油タンク

高圧洗浄とは、高圧ポンプで加圧した水の圧力と水量の力で汚れを剥がし取る洗浄方法です。

家庭用と業務用があり、家庭用は圧力と水量を抑えた軽量コンパクトで扱いやすい特徴がありますが、私どもの塗装工事においては家庭用より広範囲でさらに強力な洗浄力を発揮する業務用を使用します。

外壁や屋根塗装における高圧洗浄の重要性

外壁や屋根塗装において高圧洗浄という作業は、表面に付着している砂や雨だれなどの汚れや、コケやカビ、塩分や古い塗膜を取り除き、塗料の密着性を高めるために大切な作業になります。

汚れが付着した状態で塗布すると塗膜が密着せず、汚れが残っている部分に塗膜の膨れやひび割れが生じて塗膜剥離に繋がり、塗料の性能や機能が十分に発揮できません。

そのため塗装前の下地処理において、ケレンや溶剤脱脂処理など手作業での処理のほか、洗浄効果の高い高圧洗浄は塗装の仕上がりと耐久性を最大限に活かすため最も重要な役目を担っています。

また、洗浄部を傷めないよう素材や状態に応じて水圧を調整したり、コーキング材の劣化や外壁の亀裂(クラック)が生じている箇所は高圧洗浄前に補修作業を先に行い、高圧洗浄による浸水や損傷が起こらないよう適切な処理が必要です。

高圧洗浄中の注意点・お願い

窓は閉めて!

窓がほんの少し開いているだけでも水が入ります。夏などの暑い日には窓を開けたくなりますが、高圧洗浄の日だけはご容赦ください。壁はもちろん窓周りにも強い水圧を壁に当てて作業するので「ちょっとくらいいっか!」は禁物です。また、鍵がしまっていない窓は強い水圧により開いてしまうこともありえます。足場が設置されると2階にも上がれるようになるため、防犯のためにも施工前に確認しておきましょう。

騒音がでます!

高圧洗浄機の作業音で大きな音が出ます。音の原因は機械の運転音・壁に水がぶつかる音・水が出る音などです。この騒音は高圧洗浄時には避けられません。騒音という点では、トラックの音・足場の組み立てや解体・ケレン作業・換気フードなどの設置といったように様々な音がします。小さなお子様やペットを飼っているご家庭、体調の悪い方など家庭によって事情も違うので配慮が必要になってきます。

洗濯物はしまって!

水が飛び散らないように、メッシュと呼ばれる飛散シートを足場にかけますが、強力な水圧で外壁を洗うためどうしても水が飛散してしまいます。外壁を洗い流した水は、泥・ホコリ・カビ・排気ガスなどで思っているより汚れているものです。汚れた水がはねて洗濯物にかかってしまうこともあるので、注意が必要です。また、塗装作業中でも同じことが言えます。ベランダや庭先に洗濯物を干していると、塗料が万が一飛んでしまった場合、洗濯物を汚してしまいます。トラブルにならないよう洗濯物はしまっておくのが良いでしょう。

常識のある塗装店に依頼している場合、当然のことながら塗装工事前に近隣のお宅へ挨拶に行きます。その際、工事内容や大まかなスケジュールをお伝えしているはずですが、施工主様ご自身でもご挨拶をしておくとトラブル防止に繋がると思います。

高圧洗浄にも種類がある!

ALC高圧洗浄
窯業サイディング高圧洗浄

家庭用と業務用

家庭で扱いやすい軽量低コストの家庭用高圧洗浄機と、家庭用より圧力・水量がより強力な業務用高圧洗浄機があります。家庭用の高圧洗浄機で代表的なケルヒャーは最大でも12MPa。だいたいの業務用の高圧洗浄機は、20〜30MPaくらいです。15MPaほどあれば、外壁の汚れやコケ・カビ・古い塗膜は剥がれてくれると思います。あまり水圧が強すぎても、外壁を傷つけてしまいます。

*水圧の単位「MPa」。これは、メガパスカルと読みます。数値が大きいほど水の勢いが強いということになります。

通常高圧洗浄とトルネード洗浄とバイオ洗浄

洗浄の特徴は3種類あり、「通常の高圧洗浄」と、より威力が高い「トルネード洗浄」、カビやコケなど細菌を取り除くための薬剤を用いる「バイオ洗浄」があります。

ユニバーサルモーターとインダクションモ-ターとエンジン

動力は3種類あり、ユニバーサルモーターの水圧や耐久性はインダクションモーターよりは低めです。

インダクションモーターは使用可能地域に制限があり(電源が60Hz西日本用、電源が50Hz東日本用)高めの水圧や静音性が利点です。

エンジンは軽油やガソリン燃料で駆動するため電源コンセントが不要 なので場所を選ばず使える利点があります。

水道蛇口接続式と自吸式とタンク式

給水方式は3種類あり、水道の蛇口に取り付けて使用する水道方式と、容器に溜めた水を吸い上げて使用する自吸式と、タンクに溜めた水を使用するタンク式があります。

高圧洗浄について「まとめ」

住宅塗装において、塗料の密着性を高め長期に渡り住宅を保護するためにも、高圧洗浄がいかに重要なのがお分かり頂けたかと思います。

高圧洗浄前の措置として、周囲に洗浄水がなるべく飛散しないよう建物を飛散防止シートで覆い、騒音配慮のため静音タイプの高圧洗浄機を扱っております。

高圧洗浄後の措置として、濡れている上に塗装すると塗膜が密着せず塗膜剥離に繋がるため、高圧洗浄後は十分な乾燥時間を設けております。

また高圧洗浄時に、ベランダや窓・玄関タイルなど塗装以外の場所の洗浄におきましても要望がございましたら、可能な限り承りますのでお気軽にお申し付けください。

この記事を書いた人Wrote this article

Sou Kikuya

Sou Kikuya 男性

苫小牧市沼ノ端出身。ニックネーム「ボス」1児のパパで株式会社カラーズペイントの代表取締役。中学校卒業後すぐに塗装業界に入り、現在も塗装職人として現場で活躍中。住宅塗装は「みんなに観られる、形に残る」すなわち、作品を作るプロのアーティストです。プロとしての誇りを持っている「ボス」に塗装のことならなんでも聞いてください!

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