塗装前の養生

「養生」は住宅塗装の仕上がりを左右する大切な作業。

塗装前の養生

外壁塗装において最も重要な工程の養生作業。この養生作業にはどのような意味があるのか?疑問に思う方も多いと思います。外壁塗装での養生には外壁を塗装する際に塗装する箇所以外に塗料が付かないようビニールシートやメッシュシートなどで覆い保護するという大切な役割があり、塗装作業では必要不可欠な工程です。

今回の記事では、外壁塗装の養生作業に絞って詳しく説明をしていきます。養生をする箇所や使う道具、窓は開けれる?エアコンやストーブは使うことが出来るの?という日頃お客様から聞かれることの多いご質問も含めてお話ししていきますので、ぜひ最後まで読んでくださいね。

外壁塗装の養生とは

窓ガラスの養生

塗装業界では、「塗装よりも大切なのは養生だ」と言われています。外壁がどんなに綺麗に仕上がっても、あちこちにペンキが付いてしまっては、家が綺麗に見えるわけがありません。外壁塗装の養生には3つの目的があり、美しく高品質に仕上げるためにはとても大切な工程になります。

①塗料や洗浄水の飛散から守る

外壁を塗装する際には、刷毛やローラーと呼ばれる道具を使い塗料を塗っていきますが、塗料は液体なのでどんなに気をつけていても塗装作業中に周りに飛び散ったり、下に垂れてしまうことがあります。

また、外壁塗装では必ず高圧洗浄の作業があります。文字通り高圧をかけて外壁を洗浄するので、水が広範囲に飛び散ります。

養生作業をしなければ塗料や洗浄水が飛び、大切なお車を汚してしまったり、洗濯物を汚してしまったり、隣の家にまで洗浄水や塗料が飛んでしまいご近所とのトラブルにもなることもあります。

そうならないために飛散防止のメッシュシートで建物全体を覆ったり、ビニールやテープなどを使って塗料や洗浄水がまわりに飛ばないようにします。

②塗装しない箇所の保護

せっかく外壁が綺麗になっても、窓ガラスや玄関ドア・コンクリートなどに塗料が付いてしまっていては、家は綺麗には見えませんよね。

「綺麗にしてもらうために塗装を頼んだのに、なんだか汚されてしまった」というトラブルもよく聞きます。

養生は、塗料が付いてしまいそうな場所を把握し、しっかり保護することで塗料の付着を防ぎます。美しく見栄えの良い仕上がりにするためには、しっかりと丁寧に養生することがとても大切になります。

③きれいな仕上がりのため

塗装する箇所と塗装しない箇所の境目をテープで養生することで塗装のラインをまっすぐ綺麗に仕上げることができます。窓周りやツートンカラーでの色の塗り分けなど、外壁塗装ではまっすぐにラインを引くところがたくさんあります。境目にテープを貼っておけば塗料がはみ出してしまっても、テープを剥がすことでまっすぐなラインを、より美しく出すことができます。

また、コーキングを打ち替えるときにもコーキング剤がはみ出さないようテープを貼り、最後にテープを剥がせば綺麗なまっすぐのラインになります。

養生が必要な箇所

塗装養生の必要な場所

外壁塗装で美しい仕上がりにするために必要な養生。窓とドアの他にはどんな場所を養生するのでしょうか?

養生に必要な箇所とそれぞれの注意点もお伝えします。

窓・窓枠・サッシに養生します。養生している間は基本的に窓は開けられません。夏場に窓が開けられないとなると熱中症などお身体にご負担がかかってしまうこともあります。そんなときには我慢せず職人に相談しましょう。作業工程を変えることや、一時的に窓が開けられるように配慮してくれたりとなるべく不便な思いをしないよう対処してくれるはずです。

玄関まわり

玄関ドアはもちろん、郵便受け・インターホン・表札・照明などの小物もビニールやテープなどを使ってしっかり養生していきます。ドアや郵便受けは開閉出来るように養生し、電気などの照明も使えるようにします。玄関の床も養生しますが、雨の日などは滑りやすいのでご注意ください。また、風除室の中の壁は塗装しないという場合は、風除室の外側だけを養生します。

勝手口

勝手口のドアも塗装しないことが多いため養生します。基本的にはすべて覆うように養生するので、勝手口のドアの開閉はできません。この場所は作業している職人の行き来が多く、足場が設置している場所ですので万が一出入りする場合には、事前に伝えておくといつでも使えるように配慮してくれます。

タイルやレンガ

外壁や門塀などに付いているタイルやレンガは塗装しないことが多いです。塗料が付いてしまうと落ちにくく、元に戻すのが大変になるためしっかり養生します。デザイン性の高いサイディングなど一部分だけをクリヤー塗装する場合にも、他の外壁の面が塗装し終わってからクリヤーの部分の塗装に入るため、最初のうちは養生で保護します。

換気口やエアコンの室外機

エアコン室外機や換気口・ストーブの排気口などのも養生は必要です。季節などで明らかに使わない時には完全に覆ってしまうこともありますが、基本的には問題なく使えるよう養生します。工事が始まる前に塗装業者に使う旨を報告しておきましょう。万が一のトラブル防止のため、機器のご使用前にはご確認されることをおすすめします。

配線や電気・ガスのメーター

外壁の近くに設置されている電気やガスのメーター、コードや配線もしっかり養生して汚れないようにします。メーターの養生では、塗装工事期間中に点検に来た際メーターが確認できるよう数字が見えるように配慮して養生します。配線やメーターの管を塗装する場合には、外壁の塗装が終わってからの作業になるため、はじめは養生します。

雨樋・水切り

雨樋や水切りなど細かな部分は、塗り替える場合と塗り替えない場合がありますが、どちらにしても最後に塗装するため、はじめのうちは養生しておきます。養生しなければ他の場所を塗装している時に塗料が飛んできて仕上がりが悪くなるということになります。最後に塗装する場合でもしっかりと養生することで綺麗に仕上がります。

家の駐車場など、塗料の飛散が予想される場所に車が止まっている際には、車の養生が必要です。車をすっぽりと覆うカバーを使用しますので、お車をご使用になる場合には作業している人に声をかけるとカバーを取り外してくれます。駐車スペースがある場合は、車を離れた場所においておくと良いかもしれません。

花壇や植物

大切にお手入れされている花や木などの植物にペンキが付いたり、枯らしたりしないよう布やビニールで養生することが出来ます。職人たちは汚れたり踏んでしまうことのないよう細心の注意を払って作業していますが、植木鉢など移動できるものは離れた場所に置き、移動できないものは養生してもらうよう事前に依頼しておきましょう。

外壁塗装工事での養生の日程

外壁塗装することが決まったら、おおよその工事のスケジュールを知っておくと良いでしょう。工事が着工となると足場が解体されるまで養生が必要になるため、基本的には窓を開けることはできません。少しでも快適に過ごすために開閉したい窓は事前に伝えておくと、作業しない時には養生テープを剥がすなど対処してくれます。

1日目 足場組み立て・高圧洗浄

2日目 下地処理(コーキング準備など)

3日目 コーキング工事

4日目 養生作業

5日目〜7日目 塗装作業(下塗り・中塗り・上塗り)

8日目 養生ばらし

9日目 清掃

10日目 足場解体

外壁塗装は、天候により予定していた日数より期間が長くなることが多くあります。

養生の7つ道具

外壁塗装に最も重要な養生。当社で使っている養生に必要な道具を7つご紹介していきます。DIYなどご自分で塗装をする方にも参考になると思いますよ!

養生の7つ道具

はさみ・カッター

テープなどを切るのに最適な道具。手でも切れますが、やっぱりハサミやカッターが便利です。

マスキングテープ

通称「マステ」。塗料やコーキング材がはみ出さないように保護するためのテープ。

マスカー

布テープに薄いシートが付いた養生道具。幅や長さで色分けされています。

ノンスリップシート

(マスカーの一種)滑りにくく破れにくいシート。玄関などの床の養生に適しています。

飛散防止ネット

通称「メッシュ」。ペンキや水が飛び散るのを防ぎ、紐が付いているので足場に巻き付けて設置します。

ベトナムシート

厚手の布生地でいろいろな場所に敷いたり被せたりして塗料の付着を防いでくれます。

カーシート

塗料や高圧洗浄の水が付かないよう保護する車専用の養生カバー。

まとめ

外壁塗装での養生は、塗料の飛散を防ぎ、建物や周囲が汚れないように保護する目的があります。

さらに塗装の仕上がりは養生で左右されるとても重要な工程ということがわかりましたね。

工事中のトラブルを防ぎ、より素敵な外壁に仕上げるために適切な方法と道具で養生することが大切となります。

株式会社カラーズペイントは、今までに培った経験を活かし、お客様にご理解とご協力を頂きながら美しい外観に仕上げるための養生をしっかりと行い、工事期間中少しでもお客様にご負担のかからないように配慮することにこだわりをもって工事を進めてまいります。

この記事を書いた人Wrote this article

Sou Kikuya

Sou Kikuya 男性

苫小牧市沼ノ端出身。ニックネーム「ボス」1児のパパで株式会社カラーズペイントの代表取締役。中学校卒業後すぐに塗装業界に入り、現在も塗装職人として現場で活躍中。住宅塗装は「みんなに観られる、形に残る」すなわち、作品を作るプロのアーティストです。プロとしての誇りを持っている「ボス」に塗装のことならなんでも聞いてください!

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